すがすがしいスポーツマン精神 971


スポーツにおいては、勝敗が、重要です。
選手は、優勝目指して、必死に努力します。

しかし、スポーツ選手は、勝ち負けだけを、求めているわけでは、ありません。
スポーツを通して、スポーツマン精神を培い、人間として成長することを、願っています。

ここで、バルセロナオリンピックの男子マラソンに出場した、谷口選手のことを、紹介します。

谷口選手は、走り方が、決してきれいでなく、首を少し傾け、小走りで走ります。
大会当日、男子マラソンが、スタートして、給水の地点で、他の選手から、足を踏まれて、転倒してしまいました。
靴まで脱げて、しまったのです。

しかし、そのあと頑張って、ニコニコしながら堂々と、8位でゴールインしました。
レース後のインタビューで、「こけちゃいましてね。後半はよく追い上げることが、できたんですが、これも運です。精一杯やりました」といって、笑みを浮かべていました。

足を踏んだ人を、非難したり、また、途中でやる気をなくして、力を落としたり、しませんでした。
最期まで走り通し、8位に入賞することが、できたのです。
後日の新聞に、18歳の女子高校生が、「谷口選手のように、人を憎んだりしない、素直で優しい人間になりたいと、強く思った」という、投書がありました。

スポーツは、勝つためにあると、思っている人もいる、と思いますが、世界のそれぞれの国のトップ選手の集まりの中で、優勝することは、至難の技です。
メダルをとった人が、再レースをしても、優勝できるかどうかは、わかりません。

谷口選手は、どんな苦しい場面でも、全力でやり通したのです。
真のすがすがしいスポーツマン精神を、身につけた人なのです。

スポーツ選手は、谷口選手のように、心も体も大きく、成長してほしいものです。

2021年03月19日