もっと人に頼ろう 1129

日本を代表するコメディアン・萩本欽一(はぎもときんいち)さん。
この欽ちゃんが、自分の劇団の団員たちへ、出題したという「難問」についての話を紹介します。

欽ちゃんが、自分の劇団員たちに、出題した「難問」とは、次のようなものです。

(問題)
丸3日間、食べ物を買うお金がなくて、お腹が減ったらどうする?

あなたが欽ちゃんの劇団員で、「芸能界で、タレントとして成功したい」と、思っているとしたら、この「難問」に対して、何と回答しますか?
もちろん、この問題には、欽ちゃんなりの「正解」があって、欽ちゃんは「誰も正解を書かなかった」と、嘆いているのです。

ちなみに、「我慢する」×。
「デパートの地下へ行って、試食しまくる」も×。
「道の雑草を食べる」も「近所のゴミ箱をあさる」も×です。
欽ちゃんが、タレントを目指す劇団員たちに、期待したのは、次のような答えでした。

(答え)
「誰かに、食べさせてもらう」

欽ちゃん曰く。
「親や友だちがダメなら、街で知らないおじさんに、『お腹が減って、死にそうなんです。牛丼一杯、ごちそうしてくれませんか?』と、真剣にお願いすれば、半数くらいの人は、おごってくれるはず」

欽ちゃんは、将来、芸能界でタレントになることを目指す若者が、この「他人に頼る」という、至極簡単な発想に、至らなかったことを嘆いたのです。
考えてみれば、芸能界は、「他人に可愛がられてナンボ」の世界です。
その芸能界で、生きていこうというのであれば、「知らない人に声をかけて、その5分後には意気投合して、ご飯をごちそうしてもらう」くらいのことは、簡単にできて当たり前のような気がします。

一般のビジネスの世界においても、「初めて会った相手と、あっという間に、仲良くなれる人」は、無敵です。
どんな仕事をやっても、上手くいくことでしょう。

あなたが思っているよりも、他人も世の中も、優しいのです。
「他人のために、一生懸命になってくれる人」って、結構いるものですよ。
遠慮なく、もっと人に、頼りましょう。

2024年02月16日