あなたは、「ゲシュタルトの祈り」という詩を、ご存じでしょうか。
これは、心の病を対象にした「ゲシュタルト療法」というものを確立した、ユダヤ人の精神科医、フレデリック・パールズさんが、提唱した考え方です。
パールズさんが、創始した「ゲシュタルト療法」では、患者たちにグループでワークショップを行ってもらうのですが、パールズさんはその中で、この「ゲシュタルトの祈り」という、短い詩を読み上げて、患者たちに聞かせていたのだそうです。
患者の心の負担を軽くする「ゲシュタルトの祈り」。
それは、こんな内容です。
私は、私のために生き、あなたは、あなたのために生きる。
私は、あなたの期待に応えるために、この世に生まれたのではない。
あなたも、私の期待に応えるために、この世に生まれたのではない。
私は私、あなたはあなた。
もしも縁があって、私たちが出会うことがあれば、それは素晴らしい。
けれども、もし、出会うことがなくても、それはそれで、しかたのないこと。
一見、ごく当たり前のことを言っている詩です。
でも、この当たり前のことを肝に銘じていないと、つい「周りの期待に、応えなくては!」と心の重荷を背負い込んでしまいます。
「どうして皆、思った通りに動いてくれないんだ!」と、他人を責めたりします。
ぜひ、他人のことを気づかいすぎて、ツラくなってしまったときや、過度の期待に押しつぶされそうになったときに「おまじない」のように、思い出してみてください。
心がスッと、楽になるはずです。