「身のまわりにいる人で、自分の師匠になるような人がいない」と、思っている人が、多いと思います。
それだから、なかなか学ぶチャンスがないのです。
しかし、本当に自分の身のまわりに、師匠になる人は、いないのでしょうか。
自分自身が、勝手にそう決めつけているのかもしれません。
ここで、真言宗の開祖、空海のエピソードを紹介します。
ある日、空海が弟子たちと一緒にいる時に、ある人が空海に、こう言いました。
「空海さんは、りっぱなお弟子さんをたくさんお持ちですね」
その言葉に対して、空海はこう答えます。
「どこに弟子が、いますかな?」
そう言われた人は、んっ? と思います。
空海は、当然のような顔をして、こう続けたそうです。
「ここにいるのは、皆、私の師匠です」
空海は、自分以外のすべての他人(ひと)が、自分の「師匠」だということを知っています。
だから、たとえ、自分の弟子だろうと、学ぶべきは学ぶ、という姿勢を持っているのです。
自分にとって、世の中の人すべてが、師匠なのです。
もちろん年上だけでなく、自分より年下、子ども、部下、異性など関係なく、すべて師匠なのです。
すべて私の師匠と思い、積極的に学んで生きましょう。
そんな謙虚で、素直な態度が、大きな学びを引き寄せるのです。