お父さんやお母さんは、毎日子どもといっしょに、生活しています。
しかし、毎日の慌ただしさのために、子どもの成長に、気がつかないのです。
子どもの成長の一コマ一コマに、目をとめることなく、過ごしてしまいます。
ここで、公園で遊ぶ親子の様子を、紹介します。
ある秋の夕暮れ時のことです。
公園を散歩していた、4歳の女の子は、お母さんの袖を引っ張って、言いました。
「あっち行って、大きな葉っぱを、拾ってもいい?」
「もうたくさん拾ったじゃない。あそこの葉っぱは、濡れているわ」
「だって、わたしのコレクションには、いるんだもの」
お母さんは、驚いて娘の顔を見ました。
落葉を拾っているのには、気づいていました。
でも、落葉を「集めて」いたなんて、思ってもみなかったのです。
それに、「コレクション」という言葉の意味を、知っていたことにも驚きました。
お母さんは立ち止まり、娘の小さな手の中の落葉を、しげしげと見つめました。
そして、樫の木のほうへ走って行く、娘の後ろ姿を、目を細めて見送りました。
2人は、それから、集めた葉の色と大きさや木の名前について、楽しくおしゃべりをしながら、家路につきました。
ときには立ち止まって、子どもの姿を、みつめましょう。
子どもは、日々成長しているのです。
子どもの世界が、大きく広がっているのです。
1日として、同じではありません。
ちょっとしたことでいいのです。
子どもの成長に、もっと関心を持ち、成長に気づきましょう。
そして、その気づきを喜びにし、愛情を深めていきましょう。