
誰もが困難から、逃げたいものです。
仕事が上手くいかなくなった、商品が予想より売れない、不況で経営が危なくなった、友だちとケンカ別れした、貯金がほとんどなくなった、などの困難な状況が起こります。
そんな時に、その困難から、逃げたいと思います。
困難に立ち向かわなければならない、とわかっているのですが、逃げたいのです。
しかし、逃げれば、本当に心が安まり、上手くいくのでしょうか。
ここでイギリスの劇作家、シェークスピアの名言を紹介します。
お前は熊から逃れようとしている。
その途中で荒れ狂う大海に出会って、
もう一度、獣の口の方へ引き返すのか。
この言葉は、イギリスに古く伝わる民話が、ベースになっています。
その民話を紹介します。
ある男が、宝物が埋蔵されているという山に、向かいました。
見つけ出せば、一度にして大金持ちになれます。
しかし、山に向かうには、熊が出没する道を、通らなくてはなりません。
それが怖くてイヤだった男は、別の道を通ろうとしたのですが、その道は荒れ狂う大海に面していて、ここも大変危険です。
そこで、元の道を通ろうとしたのですが、熊が出没することを考えると、怖くてなかなか前に進めません。
そのため、男はとうとう山に向かうことを、断念してしまいました。
シェークスピアの言葉は、「困難から逃げだそうとすると、別の形で新たな困難が押し寄せてくる。どこに行っても困難にぶち当たるのなら、初めの困難に立ち向かって、いったほうがいい」ということを、教えています。
人生には、困難があるのはつきものです。
困難から逃れようとしても、どこまでも追いかけてきて、つきまとうのです。
次から次へと、押し寄せてきます。
それなら、初めから逃げることを考えないで、逆に立ち向かって、果敢に克服するように努力した方が、賢明なのです。
困難は、その人の身の丈にあったものしか、やってこないのです。
絶対的に乗り越えられない困難は、ほとんどやってこないのです。
たいていは、乗り越えられる困難なのです。
困難から逃げずに、立ち向かいましょう。
乗り越えるたびに、勇気や自信が増し、ますます大きなパワーを得て、大きな喜びもあるのです。
