いつもと変わらない一日が幸せ 826


NHKの連続テレビ小説『スカーレット』が大好きで、ずっと見ていました。
焼き物の里・信楽を舞台に、女性陶芸家・川原喜美子が、モノを作り出す情熱と喜びを糧に、失敗や挫折にめげずに、生きていく波乱万丈の物語です。

その中で、特に武志の生き方で、心に残ったことを紹介します。

ヒロイン喜美子(戸田恵梨香)の一人息子・武志の病名が、「慢性骨髄性白血病」だと、医師から告げられました。
余命は、わずか数年です。
母親の喜美子をはじめ、父親・両親の兄弟姉妹・周りの人々は、大きく心が動揺します。

そんな中に、武志が入院中の病院で、次の言葉を書き残しました。

今日が私の一日なら
私はいつもと変わらない一日を
過ごすだろう

今日が君の一日なら
君といつもと変わらない一日を
過ごすだろう

今日が友だちの一日なら
友だちといつもと変わらない一日を
過ごすだろう

今日が母の一日なら
母といつもと変わらない一日を
過ごすだろう

今日が父の一日なら
父といつもと変わらない一日を
過ごすだろう

武志は、いつもと変わらない一日を、望んでいます。
両親や周りに人にも、あまり心配しないで欲しいのです。
いつもと変わりなく、接して欲しいのです。

あとわずかな命かも知れませんが、穏やかに今まで通り、一日一日を精一杯生きたいと、願っているのです。
死と直面すると、いつもと変わらない一日が、どんなに幸せかを、強く感じるのです。
武志には、これからの人生を命の限り、いつもと変わらなく、精一杯生きて欲しいと願います。

私たちも、いつもと変わらない一日が、とても幸せであると感じながら、今を生きたいものです。

2020年10月25日