子どもの目から 1253


福島県郡山市に、創業嘉永六年、「薄皮饅頭」で名高い『柏屋』という、老舗のお菓子屋さんがあります。
戦後の混乱期、商売を離れて、子どもたちの夢を育てようと、長年児童詩の雑誌「青い窓」を毎月出し続けています。

この雑誌の編集者であり、選者をされているのが、盲目の詩人・佐藤浩さんです。
その佐藤さんが、四十年近く子どもの詩を読んで、感じたことを、こう述べておられます。

子どもたちから、遠ざかったものがあります。
第1は、自然です。
第2は、働く父親の姿です。
同時に、家庭における母親の笑顔です。

子どもたちに、重くのしかかっているものがあります。
それは、学齢社会、テスト、宿題、習いものです。

子どもたちから、消えていくものもあります。
ガキ大将と遊びの集団、三世代家族、家事労働の三つです。

少し昔の事ですが、いわれてみると、今でもうなずけることばかりです。
子どもたちは、詩を通じていろいろな訴えをしています。
父親や母親の姿をよく見ています。

佐藤さんは、こんなことも言いました。

「子どもたちは、土地を『土』として、見ています。アリとかミミズの住む『土』、花を咲かせる『土』として見ています。ところが大人たちは、『土』を『土地』としか見ていません。坪いくらだとか、あの土地は買っておけば儲かるとか、情けない話です」

童心を大切に育ててやりたいし、童心を失いたくもないです。
子どもの目からの変化を受け止め、大切なことは守っていきたいものです。

2026年07月04日