つかんだチャンスを育てる努力 1258


チャンスは、誰にでもめぐってきます。
しかし、多くの人は、そのチャンスをつかんだだけで、終わってしまうのです。

本当は、チャンスをつかんでからが、とても大事なのです。
チャンスを大きく育てないと、大きな結果は出ないのです。

明治から大正にかけて、浅野セメントで知られる浅野財閥というのがありました。
その創業者は、浅野総一郎といいます。

この人は、富山の生まれで、14歳のときから商売の道に入りましたが、ことごとく失敗。
自分は商売人の才能もなし、運もないし、いっそ勤め人になろうと決心し、24歳のとき、江戸に出ました。

歩き疲れ、ようやく江戸の街に入ったので、やれやれ一服と思って、一軒の茶屋に入って、まず水を所望しました。
そしたら、お金をとられたのです。

富山から出てきた田舎の青年にとっては、驚きでした。
自分の故郷でも、道々通る家々で水をもらっても、誰もお金をとらずに水を飲ませてくれました。
それなのに、江戸では一杯の水でも金を取る。
大変なところだ。

だが待てよ。
考えてみれば面白い町だ。
ただの水が売れるのなら、美味しい水に砂糖を入れたり、色を付けたらもっと売れるだろう。
今ならさしずめジュースやコーラの発想です。

勤め人になる前に、もう一度商売にチャレンジしてみようと決心して、「味つけ水」を売る水売り家を始めました。
これが江戸でバカ当たり、大評判で大繁盛を続けました。

その利益を手元に、いろいろな事業に手を出し、浅野財閥を形成していったのです。
戦後もそれと似たような人が出てきました。
各地の名水といわれる自然の水や、南極の氷まで売り出されるようになりました。
「ウーロン茶」のメーカーなどは、笑いが止まらないんではないでしょうか。

浅野総一郎は、こう言っています。

「運は、水の上を流れている。命がけで飛び込む度胸と、つかんだ運を育てる努力がなければ、事業などは成功しない」

人間は誰でも長い人生のうち、幾度かチャンスが巡ってきます。
そのチャンスをつかむかどうか、そのつかんだチャンスを、育てる努力ができるかどうか、これが重要なのです。

2026年08月22日