好意のキャッチボール 756


通勤途中に雨が急に降り、家の軒下に雨宿りをしていた男性がいました。
そのことに気がついたその家の女性が、見ず知らずのその男性に、傘を差し出しました。

すると男性は、「ありがとうございます。助かります。」と素直に、傘を受け取り、傘を差して歩き出しました。
次の日に、女性が家の軒下を見ると、男性からお礼の手紙を添えて、傘が返してありました。
女性は、男性が人の好意を素直に受け入れたこと、お礼の手紙を添えて、傘が返してあったことに感激しました。

このことは、女性が好意を示したことに、男性が素直にその好意を受け取ったことが、素晴らしいと感じます。
そして、男性がその好意に対して、お礼の手紙で好意を示したのです。
温かい好意のキャッチボールであり、大変良い人間関係なのです。


ここで、心理学者デニス・リーガンの実験を紹介します。

2人1組で、ニセの実験に参加します。
ひとりは被験者で、ひとりは仕掛け人です。
実験前に、お互いの印象をこっそり報告してもらいます。

【バターンAの被験者には】
実験の休憩時間中、仕掛け人が、2本のコーラを買ってきて、そのうちの1本を「君の分も買ってきたよ」と言って与える。

【パターンBの被験者には】
実験の休憩時間中、仕掛け人は、なにも親切をしない。

実験が終わった後、仕掛け人は被験者に、こんなお願いをします。
「実は私、個人的に新車が当たるくじを売っているんです。1枚25セントなんだけど、何枚か買ってくれませんか。できるだけたくさん買っていただけるとうれしいです」

〈実験結果〉
パターンAの被験者は、パターンBの被験者とくらべて、2倍の枚数のくじを買った。
しかも、実験前の相手に対する好感度と、購入枚数の間には、相関関係がなかった。

このことは、好き嫌いとは関係なく、人は何かをしてもらうと、その分返したい欲求がわくのです。
この心のはたらきを、「返報性の法則」といいます。

つまり、好意を与えると、好意を返すのです。
仕事で相手に、優しくいろいろなことを教えたら、相手は教えてもらった人に、進んで協力するようになります。
人間関係が、好転するのです。

いろんな人に、進んで好意を、示しましょう。
人からの好意を、素直に受け取りましょう。
そして、何かの時に、好意のお返しをしましょう。

好意のキャッチボールが、人間関係円満の秘訣なのです。

2020年08月16日