自分は自分の道を 700


ある会議を年一回開催するか、二回開催するかで、議論になりました。
議論した結果、最後に多数決で決めることにしました。

挙手の結果は、二回開催が圧倒的な数の手があがりました。
一回開催は、一人だけ手があがりました。
みんなの前で、一回開催に一人だけ手をあげるのは、勇気がいることだと思います。
しかし、人と違っていても、自分の考えを貫くことは、とても大事なことなのです。

どんなに意志の強い人でも、他人の影響を受けて、自分の生き方が惑わされることがあります。

例えば、若い時は自分は真面目に仕事を休まず働く、と決めていても、他の人は休暇を取り、楽しそうに家族と過ごしているのを見ると、「自分はこれでいいのか」と不安になります。
三十歳まで結婚しないで、今はやりたいことに集中すると決めていたのに、友だちが次々に結婚するのを見れば、「このままでいいだろうか」と迷います。

自分の決心が、周りの人たちに影響されて揺らぎそうになったら、「山は是山水は是水(やまはこれやまみずはこれみず)」という禅語が、その心の支えになります。
直訳すれば「山は山、水は水」という意味ですが、ここには「自分は自分、他人は他人なのですから、人に惑わされることなく、自分の生きたいように生きなさい」という教えがあります。

親が「うちはうち、よそはよそ」と幼い子どもを叱りますが、その精神はとても大切なことなのです。
いい影響は、どんどん寛容に受け入れることが大切ですが、そうでない場合や、「どう生きるか」といったことに関しては、「自分は自分の道を」が正解なのです。

今あなたが考えたこと、決めたこと、進んでいる道は、間違いなくあなたが決めたことなのです。
自分は自分の道を迷うことなく、真っ直ぐに歩いて行きましょう。
そのことが、自分を常に大切にすることなのです。

2020年06月21日