困難でも自ら飛び込もう 727


車を運転していたら、渋滞で車が、まったく進まなくなりました。
どうしたのかなと思って、車のずっと先を見てみると、二台の車が正面衝突して、交通事故が起こっていました。

車の周りの様子を見ましたが、その事故車に、誰も近寄ろうとはしていない様子でした。
大きな事故後の処理は、困難で誰もやりたくないのだろうと察したので、車をその場において、二台の事故車の所まで、走って行きました。

二台の事故車のうち一台に乗っていた二人は、たくさんの血を流して、命に危険がある状態でした。
そこで、二人を励ますとともに、急いで携帯電話で救急車を呼び、大きな病院へ搬送しました。
私は、現場に残り事故処理等をすべて終わらせて、車で病院にかけつけました。

病院では、すぐに二人の手術が始まり、二人とも大怪我でしたが、命はなんとか助かりました。
私が助けるのが少しでも遅れていたら、助からなかったかもしれません。
困難でも自ら飛び込んだことが、命を救うことになったのです。

ここで、台湾に古くから伝わる民話を紹介します。

昔、ある村では農民たちが楽しそうに、暮らしていました。
そんな農民たちを見て、イタズラ心に火がついたのでしょう。
台風の神様が、農民たちに嫌がらせをしようと、大きな台風を起こして、農民たち目がけて押し寄せてきました。

農民たちは、一目散に逃げ出しましたが、逃げれば逃げるほど、大きな台風は、後を追ってきます。
その時、村の勇気がある若者が、村人たちにこう言いました。
「逃げるのをやめて、台風の中に飛び込んでいこう」

その言葉に従ったところ、村人たちは、全員無事に生き延びることができました。
台風の中に飛び込み、さらに台風の進路の反対側に突き進むことで、難を逃れることができたからです。
これには、台風の神様も「まいった」と言って、脱帽してしまいました。

人生も同じで、「これは困難だ」と思うと、逃げることになります。
どんどん逃げると、マイナスの気が大きくなり、恐れが増し、さらに追いかけて来ることになります。

そうならないように、困難でもその中に、自ら勇気を持って、飛び込んでみましょう。
意外とたいしたことがなく、スムーズに物事が進むかもしれません。

困難と自分で思っていただけで、自分の気持ちの弱さに、原因があったのかもしれません。
困難でも自ら飛び込むことで、困難に打ち勝つ強い心と自信を、手に入れることができるのです。

2020年07月18日