怒ってカッとならない 719


人の感情で、なかなか上手くコントロールできないことがあります。
それは、「怒ってカッとなる」ことです。
怒ってカッとなるだけであればいいのですが、その後の行動で大きな問題を引き起こす場合があります。

仕事に熱心で、真面目に努力する人がいました。
普段は穏やかな人で、誰からも頼りにされている人でした。

ある時に仕事のことで、自分の部下と意見の言い合いになりました。
部下が、いつまでも自分の意見を主張するので、怒ってカッとなり、大声を上げて部下を批判したのです。

それ以来部下は、毎日不安な生活をするようになり、とうとう別の部署に異動しました。
カッとなった本人は、周りの人や会社から全く信頼されなくなりました。
怒ってカッとなり、大声で批判したことが、大きな問題を引き起こしたのです。

ここで、ブッダの教え(蛇の章・蛇)を紹介します。

蛇の毒が体じゅうに広がるのを薬で食い止めるように、「怒り」という感情を食い止めることができた修行者は、幸いである。
蛇が古い皮を脱ぎ捨てるように、この修行僧は超越した存在になれる。

怒らないことを心に決め、怒らない生活を実践すれば、まったく新しい人間に生まれ変わることができる。
そして、その新しい人生においては、平和で、穏やかな安心に満ちた暮らしを送れるようになると、ブッダは言います。

次の様な場合に、怒ってカッとならないようにしましょう。

☆思い通りにならないことがあっても、怒ってカッとならない
☆他人から悪口や批判を言われても、怒ってカッとならない
☆トラブルに見舞われても、怒ってカッとならない
☆人の過ち、愚かさ、未熟さをみても、怒ってカッとならない
☆ふがいない自分自身に対して、怒ってカッとならない

「怒ってカッとならない」と、口で言うのは簡単ですが、差し迫った時に、実践するのは、難しいかもしれません。
それでも、自分はどんな時に、怒ってカッとなりやすいのかを理解し、カッとなるのを我慢する経験を積み上げていきましょう。

一回怒ってカッとなったことが、人生を大きく狂わすこともあるのです。
まず、「怒ってカッとならない」と決め、どんな時も冷静な自分である努力を、継続していきましょう。

2020年07月10日