相手に傷を与えない 742


ある男性は、「自分には敵が多い」と言います。
物事をカッとなって、ハッキリと言いすぎるので、自分で敵を作っているつもりはないのですが、知らないうちに相手に傷を与えて、周りから恨まれ、敵視されているのです。

大変残念で、可愛そうですが、どうしようもありません。
このような性格の持ち主は、自分が言ったこと、やっていることを、相手がどう感じているのか、ということに無関心なのです。

自分の言葉が、相手に傷を与えたり、自分の行動が、相手の恨みを買っていることに、気づかないのです。
ですから、敵が増えてくるのです。

「ネズミ、壁を忘る。壁、ネズミを忘れず」という、中国のことわざがあります。
ネズミは、壁をかじったことなど、忘れてしまいます。
しかし、壁は、ネズミにかじられた恨みを、ずっと忘れません。

つまり、「人は、相手の心を傷つけたことなど、すぐ忘れる。しかし、傷つけられた方は、ずっと恨みを忘れないでいるのだから、注意しなさい」という意味を、表しています。

相手に傷を与えておいて、「気づかなかった」「そんなつもりでは、なかった」「知らなかった」では、済まされません。
相手に与えた傷は、一生消えないのです。

自分が言ったこと、自分がしたことを、どう相手が感じているのかを想像しましょう。
そして、相手に傷を与えないように、十分注意をしましょう。
日々そのように努力を積み重ねていれば、しだいに敵も減ってくることでしょう。

2020年08月02日