「忘己利他」で人のために生きる 730


世の中には、人の役に立つことを、当たり前のようにする人がいます。
素晴らしい人だなと、感心するとともに、尊敬します。

しかし、次の様な人もいます。

○目立たないことはしない。
○利益にならないことはしない。
○汚いようなことはしない。
○人がしたくないことはしない。
○ほめてくれないことはしない。

このような人は、大変残念な人であり、可愛そうにも思います。

仏教に、「忘己利他(もうこりた)」という言葉があります。
この言葉は、天台宗の開祖である最澄(8~9世紀)が、述べています。
「己を忘れて、他を利するは、慈悲の極みなり」とも読み取れます。

「己を忘れる」とは、「自分自身の損得は、二の次に考える」ということです。
「他を利する」とは、「人のために、貢献する」ということです。
「慈悲の極み」とは、「それこそが本当の意味での、人への優しさだ」という意味です。

最澄は、平安時代の高僧の一人ですが、日本仏教は、この言葉に表れているような「自分の利害は、ひとまず横に置いておいて、人のために貢献する」という精神を、ずっと大切に守ってきています。
仏教が、なぜこの「忘己利他」の精神を、大切に受け継いできたかと言えば、この精神に則って生きることにより、心の充足感、または心の安らぎが、得られるからです。

「忘己利他」で、人のために生きるようにしましょう。
自分の存在感を感じることができ、生きる自信になるのです。

嫌なことでも、人のために進んでしましょう。
多くの人の役に立ち、みんなから喜ばれるのです。

2020年07月21日