悪いことをすると仕返しがある 711


昔の人は、「決して悪いことをしたらいけない。人様に迷惑をかけたらいけない。」と繰り返し子どもに教えていました。
これは、悪いことをすることは、人として信頼されず、立派な大人になれないからです。

それに、悪いことをすると必ずと言っていいほど、仕返しや罰を受けるからです。
悪いことをすると、次の様なことが起こります。

☆平気でウソをつくと、信頼されなくなり、ウソつきと呼ばれる。
☆友だちをいじめると、逆に周りのみんなからいじめられる。
☆会社の決算書をごまかすと、会社が倒産の危機に見まわれる。
☆カッとなってケンカをすると、相手から仕返しをされる。
☆コンビニで万引きをしたり、強盗をすると、刑務所に入れられる。

このような仕返しや罰を受けなければなりません。
ここで、学びの一歩(令和童蒙読本)の「悪事は自分に返ってくる」を紹介します。

子どもが右手に杖(つえ)を持ち、左手に餅(もち)を持って食べていた。
そのそばに、イヌが寝そべっているのを見て、「ここにおいで」と呼んだ。
イヌは優しく呼ばれたので、耳をピンと立ててしっぽを振って子どもの前にやって来た。

子どもが左手に持っていた餅を出すと、イヌはこれを食べようとした。
すると子どもは、右手に持っていた杖を振り上げて、イヌの鼻を打ったので、イヌは大きく吠えてどこかに逃げてしまった。
子どもは、ひとり笑っていた。

そばにいた老人が、この様子を見て、子どもを呼んだ。
そして懐(ふところ)から五千円を出して、「お前はこれが欲しいか。」と聞くと、子どもは「はい。」と答えた。
老人は、「ここに来て取ってみろ。」と言った。

子どもが喜んでこれを取ろうとしたところ、老人は杖で子どもの手を打った。
子どもは痛くて泣きながら、「あなたはどうして私の手を打つのですか。私はあなたに何の悪いこともしていないし、お金も自分から欲しがったわけではありません。」と言った。

老人は、「お前はどうして、あのイヌを打ったんだい。イヌがお前に何か悪いことをしたかい。お前の餅を自分から欲しがったりしたかい。私は、お前があのイヌにしたようにしただけだ」と言った。
子どもは、深く恥じ入り、その後はこのようないたずらをすることはなくなった。

このように悪いことをすると、そのことを見ている人が、必ずいるのです。
そして、老人はイヌの代わりに子どもに仕返しをして、いたずらをすることはいけないことを、強く教えたのです。

人が悪いことをすると、周りの人や天の神様は、そのことを必ず知っていて、仕返しをしてくれます。
その仕返しは、悪いことはしたらいけない、というありがたい教えなのです。

心の油断や甘さから、悪いことをすることがあります。
仕返しを受けなくてすむようにしましょう。
そのために悪いことをしないように、十分心がけて生きていきましょう。

2020年07月02日