仕事のノウハウを他人に生かそう 744


仕事をしている人、退職等して仕事を止めている人は、大きな力を持っています。
それは、仕事で培った素晴らしい知恵やノウハウを、持っているのです。

私は、学校の教員として、三十七年間学校に勤めました。
その間教諭・教頭・校長として、多くの仕事を学びました。

現在は、「しあわせ塾」のホームページ・ブログで、幸せ・人生・生き方・成功の方策などを、多くの人に伝えています。
これは、教員として培った知恵やノウハウを、他人に生かしてもらおうと考えて、喜んでしているのです。

このことは、自分自身の誇りや楽しみでもあり、徳を積むことにつながると思っています。
ここで、江戸時代中期の禅僧・白隠にまつわる話を紹介します。

白隠が暮らしていた寺の近くには、小さな漁村がありました。
あるとき、白隠がその漁村を通りかかったら、漁師を引退した初老の男が近づいて来て、こう言ってきたことがありました。
「私は身体をこわして、漁師を止めましたが、そのせいで生きがいがなくなってしまいました。だから、何の楽しみもなく、毎日がつまらなくて仕方ありません」

すると、白隠は、次の様に教え諭したのです。
あなたには、漁師という仕事を通して培った知恵が、あるではありませんか。
その知恵を、生かしなさい。

たとえば、漁師めし(獲れたばかりの新鮮な魚介類を使った、漁師が作る料理)を作り、それを村の人みんなに、提供してあげてはどうでしょう。
みんなから喜ばれますよ。

白隠のこの言葉で、奮起した初老の男は、以来、村人たちのために漁師めしを作り、それを提供するように心がけました。
すると、みんなから大変喜ばれ、男は漁師めしを作ることに生きがいを、感じるようになったのです。

このように仕事で培った知恵やノウハウは、素晴らしい力があるのです。
それを人のために提供することは、徳を積むことにもなるのです。
多くの人から、感謝されることになります。

自分の持っている知恵やノウハウを、どんどん他人のために生かしましょう。
それが、あなた自身が、生かされることでもあるのです。

2020年08月04日