苦しみは執着心から 713


大好きな韓国時代劇があります。
それは、「トンイ」です。

何回見ても面白く、多くの学びがあります。
特に王妃の苦しみや執着心が、心に残ります。

王様はトンイと出会い、しだいに恋心を抱き、トンイを大切にするようになりました。
それに伴って、王様は宮中でのトンイの地位を高くしていったのです。

王妃は、王様がトンイを大切にすることに、苦しみと執着心が増していきました。
「もっと私のことを愛して欲しい」「自分の子どもを王様にして欲しい」「自分たちの親族や一門を大事にして欲しい」と執着心が高まりました。

そこで、トンイが失脚するように、いろいろなワナを仕掛けるのです。
しかし、そのワナをトンイが、一つずつ見事解決していきます。

とうとう最後は、王様の命により、王妃は死に追いやられることになります。
大変可愛そうな王妃ですが、執着心が人を変えてしまう怖さを感じました。

メッタグーという学生が、ブッダに次の質問をしました。(彼岸へ通じる道の章・学生メッタグーの問い)
「人は、どうして様々なことで、苦しまなければならないのでしょう。苦しみというのは、どこからやってくるのですか?」

その質問に対して、ブッダは答えました。
「メッタグーよ。あなたが苦しみの原因を私に問うた。私は自分が知り得たとおり、それを説明しよう。世の中の種々様々の苦しみは、執着することから生まれる」

ブッダは、「すべての苦しみは、執着心から生まれる」と教えています。

☆失恋した恋人への執着心
☆お金や名声への執着心
☆意地悪された恨みを晴らしたいという執着心
☆いつまでも若々しくいたいという執着心
☆人から嫌われたくないという執着心
☆他の人に勝ち続けたいという執着心

このような執着心があると、自分自身を深く苦しめることになります。
どんなに強い志、熱い思いがあっても、できることとできないことがあります。
例えば「いつまでも若々しくいたい」と願ったとしても、年齢とともに肉体的な衰えは、避けることはできないのです。

いつまでもどうあがいても、叶わないことに執着するかぎり、苦しみは続き、大切な人生の時間を、ムダに費やすことになります。
思い切って、どうにもならないことは、素直に諦めましょう。

迷惑な執着心とさようならをすれば、苦しむことはなく、前向きで明るい人生を歩いて行けるのです。
王妃も執着心さえ捨ててしまえば、平穏無事で幸せな人生があったのです。

2020年07月04日