何回も諦めずお願いしよう 741


格安航空券などで人気のあるエイチ・アイ・エス(H.I.S)創設者の澤田秀雄(さわだ ひでお)さん。
澤田秀雄氏は、赤字が続くハウステンボスを救って欲しいと、社長就任をお願いされました。
一回目にお願いされた時は、大変難しいと断りました。
二回目にお願いされた時も、一回目と同様に、キッパリと断りました。

それでこの件は、終わったと思っていました。
しかし、三回目もお願いされました。
依頼相手は、諦めなかったのです。

とうとう人の良い澤田秀雄氏は、赤字を黒字にすることは、超難解であると十分認識しながら、ハウステンボスの社長を引き受けたのです。
澤田氏の努力が実り、ハウステンボスは、黒字が続くようになりました。

誰でも誰かに、お願いをする時に、一回断られると、すぐに引き下がってしまいます。
一回だけでは、お願いする方の情熱が、伝わらないのです。

中国の歴史を描いた『三国志』に、「三顧(さんこ)の礼」という言葉が出てきます。
主人公、劉備玄徳(りゅうびげんとく)は、天才的な軍師、諸葛孔明(しょかつこうめい)を味方に引き込もうと、会いに行きます。
しかし、居留守を使われて、会ってくれません。
日を変えて出直しましたが、それでも会ってくれません。
三度目に、ようやく会ってくれます。

そして、玄徳の人柄に打たれた孔明は、味方になることを約束したのです。
「三顧の礼」とは、「断られても、礼を尽くして何度もアプローチすれば、相手の態度が変わることもある」という意味を表します。

相手に難しいお願いをする時は、何回も諦めずにお願いしましょう。
何回も諦めずにお願いをすることで、あなたの思いや意志が伝わるのです。

十回たたけば開くドアを、九回たたいて「ダメだ」と諦めれば、すべては水の泡です。
「あと一度で成功する」と信じ、礼を尽くして、たたき続けましょう。

あなたの諦めずに何回をお願いする態度が、相手の心が開くことになるのです。
何回も諦めずに足を運ぶ人は、強い願いを持ち、人間的にも素晴らしい人なのです。

2020年08月01日