人情の機微に触れよう 563


人間関係を上手く保つためには、「人情の機微に触れる」ことが、大変重要なことです。
人情の機微を知ることなしに、理論や理屈だけで事をなそうとすれば、人びとの反発を受けたりします。

何事もなかなか上手くいかず、労多くして功少なしという結果に終わりがちです。
そうしたことを無理に力をもってやろうとすれば、人びとを苦しめたりすることにもなります。

「人情の機微に触れる」とは、目に見えない人間の心の微妙な動きを、肌で感じて理解することです。
分かりやすく言うと、「相手の心を読む」と言いかえができるかもしれません。

例えば、グループでの話し合いの中に、なかなか入れない人がいれば、「あなたはどう思いますか」と聞き、上手にグループの中に入れるように導きます。
仕事で失敗して、悩んでいる人が近くにいれば、自分からその人に近づき、一緒に悩みを共有します。

このようなことは簡単そうで、意外に難しいのです。
人間の世界において、どんなに頭が良く行動力がある人でも、人情の機微に触れることが、あまりできない人もいるのです。

逆に、頭があまり良くなくて、行動力がない人でも、人情の機微に触れることができる人がいるのです。
すぐれた政治家、すぐれた指導者といわれる人の業績を見ると、やはりみなこうした人情の機微というものをよく把握し、それに則して物事を行なっているようです。

人情の機微に触れることができるようになるには、どうしたらいいのでしょうか。

☆できるかぎり実社会の経験を多くする。
☆周りの人の表情・様子などを見る。
☆周りの人の立場で、考えてみる。
☆つねに素直な心と目で人を見る。
☆多くの人々と実際に触れあう。

このようなことを日頃から意識をすると、やがて人情の機微に触れることが、できるようになります。
人情の機微に触れることは、自分自身を成長させ、高めることにもなるのです。

2020年02月05日