イヤな過去は忘れ去る 698


思い出したくない、イヤな過去があります。
過去の辛い経験や、取り返しのつかない失敗、ひどく傷つけられた記憶などは、思いがけないときに蘇って、いつまでも人の心を悩ませます。

○たったひとつのミスで、取引先からの信頼を失ってしまったとき。
○信じていた恋人に、裏切られて泣いたとき。
○大学受験の当日に遅刻して、実力を発揮できなかったとき。
○悪口を言われて、カッとなってケンカしたとき。

そういう、イヤな記憶ほど、いつまでも心から去ってくれません。
イヤな記憶が蘇って、落ち込みそうなときは、「風過ぎて竹に声を留めず」という禅語が、心を癒してくれるでしょう。

竹林に風が吹けば、葉がこすれあってサヤサヤと音を立てます。
しかし、風が過ぎ去ってしまえば、竹林はもう音をたてることはありません。

「人もまた、過ぎ去った出来事のために、いつまでも心を揺れ動かし、思い悩んだり、悲しんだりすることなく、風が過ぎ去ったあとの竹林のように、あったほうがいい」と教えています。

イヤな過去について悩んでも、その時に戻ってやり直せるわけではありません。
過ぎた時間は、戻せないのです。
いつまでもイヤな過去にとらわれて、嘆いていても、時間のムダです。

未来に向かって、これからの人生をどう生きるか、前向きな気持ちで考えましょう。
そうすれば、イヤな過去に引きずられることが、なくなると思います。

イヤな過去は、忘れ去りましょう。
イヤな過去も、本当は賢い生き方の学びになっているのです。

2020年06月19日