見返りを求めないよい行い 685


子どもの頃に、こんなことをした経験があると思います。

○家の掃除を頑張ったので、おやつをもらった。
○お使いに行ったので、お駄賃をもらった。
○休みの時に、畑の仕事を手伝ったので、デパートに連れて行ってもらった。
○毎日洗濯物干しを頑張ったので、お小遣いをもらった。

こんな活動は、大変よい行いです。
みんなからも喜ばれます。

しかし、少し気になることがあります。
すべてよい行いをした後に、見返りをもらっていることです。

見返りを求めるよい行いで、はたしていいのでしょうか。
ここで、熊本日日新聞掲載女子中学生の「見返り求めぬ見守りに感謝」を紹介します。

私は、中学三年生です。
家から学校まで自転車で登下校していますが、小学生の時はもっと遠い距離を登校班で歩いて通っていました。
私が六年間もお世話になったのが、登校見守りボランティアのAさんです。

先日、中学校でそのAさんのお話を、聞ける機会がありました。
Aさんは、退職後に自分が都合のいい時に、気軽にウオーキングするということで始められたそうですが、登校見守り活動を始められてもう十三年になるそうです。
私は、十三年になると聞いて、驚きました。
そんなに長い間、毎朝、小学生と一緒に通ってくださっているんだなと思うと、感謝と同時に尊敬の思いを持ちました。

Aさんは、私が忘れ物をした時に、学校に着く前に家に電話してくださったり、歩く時は危なくないように、そして、雨でも水がはねないよう車道側を歩いてくださったりしていました。

小学校を卒業した今でも、地域で会った時に小学校の思い出や中学校での近況報告など、話したりしています。
今は小学校に通う弟も私と同じように、毎日お世話になっています。
私もAさんのように、何も見返りを求めずに人々や社会のために、自分から進んで行動できる人になりたいです。

Aさんは、十三年も見守りを続けていて、素晴らしい方だと感じました。
しかも、よい行いをしても、見返りを求めない態度が立派です。

女子中学生にとって、Aさんとの出会いは、一生の財産であり、誇りでしょう。
これから何も見返りを求めずに、人々や社会のために自分から進んで行動できる人に、成長していくことでしょう。

Aさんにとっては、子どもたちが安全に、学校に登下校することが、なによりの喜びでしょう。
そして、優しい子どもたちとの毎日が、宝物なのです。

見返りを求めないよい行いこそ、尊い行いなのです。

2020年06月06日