平凡な人でいいんです 686


自分は、目立つところがなくて、平凡なんです。
特にずば抜けた才能がなく、人からほめられることは、何もありません。

毎日を真面目に働き、コツコツと生活しているだけです。
これからの競争社会を生き残っていけるか、とても心配です。

このように、自分が平凡な人であることに苦しみ、悩んでいるのです。
目立ったところがなくても、毎日真面目に働き、平凡な生活をしているのであれば、それだけで十分ではないでしょうか。

「松樹千年の翠(しょうじゅせんねんのみどり)」という禅語があります。

松という樹は、目立った花を咲かせることも、秋に紅葉することもありません。
葉が散ることもなく、一年中ずっと同じ緑色の姿を見せています。

春にピンクの花を満開に咲かせる桜や、秋に輝く黄金色に変わるイチョウなどに比べれば、目立たない存在でしょう。
けれど「目立たなくても、注目されなくても、不変の姿のままであるものこそ、尊いのだ」という意味が、この禅語にはあります。

昨日も真面目に働いた。
今日も真面目に働いている。
明日も真面目に働くだろう。
このように、不変の姿を保っていける人こそ、偉大なのです。

華やかで目立つものは、人目を引きますが、飽きられるのも早く、その場限りが多いのです。
不変で安定感があるものは、大きな存在感があるのです。

平凡な人でいいんです。
平凡な人は、素晴らしく魅力がある人なのです。

2020年06月07日