大事なことは自分でしよう 661


何でも他人に任せる人がいます。
自分でしようとせず、他人にしてもらうのです。

もちろん他人を信頼して任せることは、必要なことです。
組織が大きくなると、ほかの人と連携して、仕事を進めなければなりません。
出世して重要な役になるにつれて、部下に仕事を任せなければ、大きな仕事はできません。

しかし、何でも他人に任せればいいとは、いかないものです。
他人に任せていいこと、これは自分がしなければいけないことなど、その場その場で、適切な判断が必要です。

ここで、「だまされた鳥の大王(モンゴルの昔話)」を紹介します。

それはそれは恐ろしい鳥の大王が、山奥に住んでいました。
ある日、鳥の大王は、ツバメと蚊を呼びつけて、こう命じました。
「世界で一番うまいのは何の肉か、一週間以内に調べてまいれ」
恐ろしい大王の命令とあって、ツバメと蚊は、すぐさま飛び立っていきました。

ツバメはスイスイ飛んで、動物を探すのは早いのですが、うまく味見ができません。
馬のお尻をつまもうとしたら、蹴られて、ひどい目に遭ってしまいました。
一方、蚊の方は、チクリ、チクリと刺しては味見をするものの、とても一週間では世界を回りきれません。

あっという間に期限がきて、大王に報告に帰らなければならないという日、蚊がツバメにいいました。
「馬、トラ、ヘビ、クマと味見をしてきたが、今のところ一番うまかったのはトラだ。でも、世界にはもっとうまい物があるかもしれない。大王にどう報告しよう」
するとツバメは、こう提案しました。
「もし、トラの肉が一番うまいと報告して、大王からトラの肉を持ってこいといわれたら大変だ。トラを探すのも大変だし、だいいち僕たちの方がトラに食い殺されてしまう。だから山奥にたくさんいるヘビにしておこう」

こう相談がまとまり、鳥の大王には一番うまいのはヘビだと報告しました。
ウソとも知らず、鳥の大王は、その日からヘビばかり食べるようになりました。
そして、あるとき、毒ヘビを食べようとしたところ、噛まれて死にそうになり、以来、身体が麻痺して思うように動けなくなりました。
そのため別の鳥に大王の座を奪われてしまったのです。

だまされた鳥の大王は、ツバメと蚊に任せず、自分で調べれば、別の鳥に大王の座を奪われることはなかったのです。
何でも人任せにすると、不快な思いをするなどして、痛手を負ったり、運を逃がしてしまうことがあるのです。

☆ある本を購入してくれと頼んだら、似たようなタイトルの本を購入してきた。
☆商談の時間を伝えるように頼んだら、間違った時間を伝えていた。
☆A4でコピーを取るように頼んだら、B4でコピーを取ってしまった。
☆最新の見積書を取引先に送るように頼んだら、誤って古い見積書を送ってしまった。
☆忘年会の予約を頼んだら、似た名前の店に予約してしまった。

このようなことが起こると、その責任は当然頼んだ方が、負わなければなりません。
だったら、必要以上に他人任せにしないで、大事なことは自分でするようにしましょう。

自分でできる大事なことは、人に頼らないで、自分で行うようにすれば、全て上手くいき、運を逃がすことはないのです。
他人に任せること、自分で行うべきことの判断を、的確にできるようになりましょう。

2020年05月13日