人の目を曇らせる欲メガネ 696


自分に都合のいい、現実離れした夢や期待は、「人の目を曇らせる欲メガネ」で、物事を見るようになりがちです。

○あの人と結婚すれば、最高の幸せを手に入れることができると思い、結婚した
○絶対に儲けると確信して、大金を投資した。
○テレビの通販番組で紹介された、画期的な便利グッズを購入した。
○この会社に入社すれば、仕事を楽しめると思い入社した。

このように、欲メガネで見て、期待してしまうのです。
ところが現実は、大きく違っているのです。

◎結婚したけど、辛い日々を送って、とうとう離婚をした。
◎大金を投資したけど、大損して、借金ができた。
◎便利グッズを買って、実際使ってみたけど、役に立たなかった。
◎楽しい会社と思っていたが、ブラック企業だったので、退社した。

このように、「こんなはずじゃなかった」と、後悔してしまいます。
しかし、何故、後悔するような結果を招いてしまうのでしょう。

この疑問に答えをくれるのが「一翳眼に在れば空華乱墜す(いちえいまなこにあればくうげらんついす)」という禅語です。
「一翳」とは「ちょっとした影」という意味で、「人の欲望」を暗示しています。
つまり、「欲望を持ってものを見ると、現実には存在しない、幻の花が空を舞い飛んでいるのが見えてくる」といっているわけです。

「こんなはずじゃなかった」と、後悔してばかりいる人は、いつも欲メガネで見がちなのかもしれません。
人の目を曇らせる欲メガネをはずしましょう。

夢や期待が、欲にならないように、注意しましょう。
日頃から物事を落ち着いて、冷静に見るようにするといいでしょう。

欲を捨てて、物事を見ると、正しく見えるようになるのです。

2020年06月17日