愛する人にはいいことがある 675


人や動物、草花や自然などを愛することができる人がいます。
愛する人は、命などを大切にして、優しく、みんなからも愛されます。

逆になかなか愛せない人がいます。
愛せない人は、命などを粗末にして、冷たく、みんなからも愛されません。

生きていく上で、愛することができることは、大変素晴らしく大事なことです。
ここで、「花咲かじいさん(日本の民話)」を紹介します。

昔々あるところに、おじいさんとおばあさんが、住んでいました。
子どもがいなかったので、シロというイヌをとてもかわいがっていました。

ある日、シロが畑でワンワンと、ほえつづけています。
「おや。ここを掘れといっているのかな。よしよし、掘ってみよう」
こう思ったおじいさんが畑を掘ると、大判小判がザクザク出てきました。
それを聞いた隣の欲張りじいさんが、シロを借りて、むりやり畑に連れて行き、キャンキャンと鳴いたところを掘ってみると、ガラクタばかりが出てきました。
これに怒った欲張りじいさんは、シロを殺してしまい、知らんふりをしました。

シロの亡きがらを見つけた善良なおじいさんとおばあさんは、泣く泣く畑にシロを埋め、棒をさしてお墓を作ったのです。
すると、翌日にはその棒が大木となっていたので、その木で臼を作り、もちをつくとその中から宝物が出てきました。

それを知った欲張りじいさんは、強引に臼を借りてきて、自分ももちをついてみました。
しかし、出てくるのは石ばかりなので、怒った欲張りじいさんは臼をたたき割って、燃やしてしまいました。

大切な臼を焼かれた善良なおじいさんさんが、残った灰を家に持って帰ろうとしたところ、風が吹いてきて、灰が枯れ木にフワリとかかりました。
すると、その枯れ木に花が咲きました。
おじいさんは嬉しくなって、「枯れ木に花を咲かせ、みんなに喜んでもらおう」と考え、灰をまいて美しい花を、たくさん咲かせていきました。

すると、ちょうどそこを通りかかったお殿様がそれを目にして、「ほう、見事じゃ」とたいそう喜び、おじいさんはほうびをもらうことができました。
それを見ていた欲張りじいさんが、灰を横取りしてまくと、なんとお殿様の目に灰が入ってしまいました。
そのため、欲張りじいさんは、殿様の家来からこっぴどく叱られ、牢屋に入れられてしまいました。

善良なおじいさんは、イヌのシロを大変愛していたのです。
深く大きな愛で、愛することができたのです。

それで、結果的に大判小判・宝物・ほうびを、手に入れることができました。
欲張りじいさんは、まったく愛することができず、悪いことばかりが起こったのです。

人やいろんなものを愛する人には、このようにいいことが起こるのです。
愛する人には、ブーメランのように、自分への愛となって返ってくるのです。

2020年05月27日