どんな環境でも光輝ける 694


今いる環境は、どんな環境でしょうか。
いい環境、悪い環境、厳しい環境などいろいろあると思います。

いい環境であれば、居心地がよく、安らかな場所でしょう。
悪い環境であれば、居心地がよくなく、落ち着かない場所でしょう。

どんな環境でも、環境を変えることは難しいことです。
しかし、どんな環境でも、自分しだいで、光輝くことができるのです。

禅では、座禅を組む場所を「道場」と呼びます。
昔、ブッダは菩提樹の下で座禅を組んでいたときに、悟りを開いたといわれていますが、その悟りを得た場所が「道場」と呼ばれていたのです。
それが後に、「悟りを得るための神聖な場所」という意味で使われるようになり、禅宗では禅を組む場所を「道場」と呼ぶようになりました。

ここで、道場にまつわるお話を紹介します。

ある若い修行僧が、街中で座禅をしていました。
しかし、周りが騒がしくて、瞑想に集中できません。

そこで「もっと静かな場所を探そう」と街を出ました。
途中、徳の高そうな禅僧に出会います。

そこで「座禅をするのに適した、静かな場所はありませんか」と尋ねたところ、その禅僧が答えたのが「直心是道場(じきしんこれどうじょう)」だったといわれています。
「悟りを求める心が純粋なものであれば、どのような場所であっても、座禅に適した神聖な場所になる」という意味なのです。

「この会社では自分の力が発揮できない」「この上司では、やりたい仕事が思いっきりできない」「このくらいの予算では、何もできない」などと、環境を不満に思う人がいます。
環境の悪さを言い訳にしても、得られるものは、何もありません。

物事を極めようという信念、つまり「直心」が備わっている人は、環境の悪さを気にしないのです。
それどころか、どんな環境でも、それをバネにして、自分を光輝ける存在にするのです。
本物の実力とは、時も場所も選ばず、発揮できるものなのです。

2020年06月15日