怠惰な生活から抜けだそう 656


自分がしなければいけないことを、ズルズルと先延ばしにする人がいます。
何もせずに文句ばかり言う人がいます。
仕事をサボって、家で一日中ゴロゴロしている人がいます。

このような人は、怠惰な生活の中に、どっぷりとつかっています。
怠惰な生活が、楽で気持ちがいいのでしょう。
なかなかその生活から、抜け出すことができません。

怠惰(たいだ)の意味は、「すべきことをなまけること、だらしない様子」です。
漢字を見ても「怠」「惰」それぞれに「なまける」「おこたる」といった意味があります。
その二つが合わさり、とてもなまけている様を表しています。

ここで、ピロシキ好きの娘(ロシアの昔話)を紹介します。

ある村にナターシャという一人の娘がおりました。
ナターシャは、プックリしたホッペのまん丸顔で、お腹も腕も足も、どこもかしこもマシュマロのようにプクプクふんわりしたかわいい娘でした。
実は、ナターシャには、婚約者がいたので、結婚式までにやせて、ウエディングドレスを美しく着こなしたいという願いがありました。
しかし、娘は食べることが大好きで、なかなかダイエットができません。

そんなある日、ナターシャの婚約者は、お金持ちの雇い主のお供で一年ほど、世界中を旅することになりました。
そこで二人は、こんな約束を交わしました。
婚約者が戻ってくるまでに、ナターシャはダイエットをしてスリムになっておき、彼が帰国したら、すぐに結婚式を挙げるというものです。
「一年も彼と会えないのはさびしいけれど、その間に、ダイエットしてきれいになっておこう。それだけ時間があれば、楽勝だわ。でも、その前に大好きなピロシキ(ロシアの揚げパン)を食べおさめしとかなきゃ」
こういって、ボルシチ(ロシアのスープ)をすすりながら、おいしそうにピロシキをいくつもたいらげる毎日で、半年たってもダイエットができないままでした。
それどころか、いっそう太ってビア樽のように、醜くなってしまったのです。

そんなある日、婚約者から手紙が届き、急に旅の日程が繰り上がって、翌週帰ってくることになったと書いてありました。
焦ったのは、ナターシャです。
まだ大丈夫、時間があると、たかをくくっていたのが、もう一週間しかありません。
今度こそ本気でダイエットに打ち込みましたが、間に合いません。
そのため、ブクブク太ってしまったナターシャは、帰国した婚約者から、結婚を取りやめにされてしまったのです。

この話は、怠惰な生活を送るとしっぺ返しを食らってしまうことを教えています。
ナターシャは、ダイエットにハッキリとした一年という期限をもうけて、計画的にダイエットに励んでいれば、婚約を破棄されるようなことは、なかったでしょう。

怠惰な人は、次の様な特徴があります。

☆責任感がない(自分に甘く、責任転換をよくします)
☆向上心がない(面倒くさがったり、不満ばかり口にします)
☆楽天的すぎる(まあいいか、なんとかなると考え、行動しようとしません)
☆外見がだらしない(不潔であったり、寝癖や洋服のシワなどがあったまま出勤する)
☆自分に自信がない(夢や目標が持てなく、持っても叶える自信がない)

怠惰な生活のツケは、必ず自分に回ってくるのです。
怠惰な生活は、自分自身を不幸にしてしまいます。

早く怠惰な生活から抜け出し、充実した生活を過ごすようにしましょう。
自分がやりたいことのタイムリミットを決め、それに向かって行動を始めましょう。

2020年05月08日