悪いうわさを気にしない 697


仕事の関係で、異性といっしょにセールスをするように命令された二人がいました。
いっしょに行動しなければならないので、日常的にお互い会話するようになりました。

すると周りから、「二人は恋人みたい」「いつもいっしょで、仲がよすぎる」などの悪いうわさが広がってきました。
あくまで仕事上の関係だけなのに、二人は悪いうわさを聞いて、大変驚きます。

このように「人のうわさの種」にされ、気に病んだり、落ち込んだりした経験は、だれでもあると思います。

人のうわさとは不思議なもので、なぜか「仕事で活躍した」とか、「おめでたいことがあった」といったうわさは、すごくゆっくりとしたスピードでしか広がらないのです。
しかし、「誰かが左遷されるらしい」「不倫をしている」「二人でケンカをした」といった悪いうわさばかりが、すごい勢いで広がっていきます。

禅語に「好事は門を出でず悪事は千里を行く(こうじはもんをいでずあくじはせんりをいく)」という言葉があります。
「いいうわさは、自分の家の外へ出て行くことはありません。しかし、悪いうわさは、あっという間に、千里も遠く離れたところまでも、走って行ってしまう」という意味です。

「人のうわさも七十五日」といいます。
「二ヶ月ちょっと経てば、うわさなど忘れ去られる」という意味です。
つまり、悪いうわさは、走り去っていくのも早いのです。

たとえ自分に関する根も葉もないうわさが流れたとしても、気にしないでいましょう。
気にすると、他人の悪意に振り回されて、右往左往することになり、自分がさらに傷つくことにもなりかねません。

悪いうわさを気にすることより、自分の信じる道をしっかり歩いて行くことのほうが、ずっと大切です。
根も葉もない悪いうわさは、必ずすぐに消えてしまいます。

2020年06月18日