願望を叶えるために欲望を捨てよう 657


希望大学合格の願望を持ち、受験勉強を頑張っても、遊びたい欲望に負け、遊んでしまいます。
これでは、希望大学合格の願望は、叶うことはありません。

ダイエットの願望を持ち、運動をしても、美味しい物を食べたい欲望に負け、カロリーの高いものばかり食べてしまいます。
これでは、ダイエットの願望は、叶うことはありません。

家を建てたい願望を持ち、お金を貯めても、好きな物を買いたい欲望に負け、お金を使ってしまいます。
これでは、家を建てたい願望は、叶うことはありません。

ここで、「神様から授かった水」(中国の昔話)を紹介します。

その昔、日照りが続き、山奥の村がたいへんな飢饉になりました。
「もう何ヶ月も雨が降らない。川の水も井戸も涸れ果ててしまい、カラカラだ。このままだと、作物も全滅して飢え死にしてしまうぞ」
そう思った一人の村人が、ほこら(神を祭った小さな神社)に水がめを差し出して、「どうか作物を育てる水を、お恵みください」と、神様に一生懸命お祈りしました。

すると翌日、神様からのご加護で、水がめにあふれんばかりの水が入っていました。
「ありがたい。神様が願いを叶えてくださった」
村人はたいへん喜びましたが、あまりにも喉が渇いていたため、ついついその水を全部飲んでしまいました。
一息ついて我に返った村人は、作物を育てるために神様から授かった水を全部飲んでしまったことをとても後悔し、再び神様にお祈りしました。

すると、翌日、今度も水がめの中には、たっぷりと水が満たされていました。
しかし、安心した村人は、スープが飲みたくてたまらなくなり、その水でスープを作ってガブガブと飲んでしまいました。

そして、三たび、村人は神様に「作物を育てるために、水をお恵みください」とお祈りしたのですが、水がめには二度と水が入ることはありませんでした。
そのため作物は枯れ、とうとう村人は飢え死にしてしまったのです。

この話は、「願望を叶えるためには、それを阻もうとする欲望を抑えなくてはならない」ということを教えています。
村人が渇いた喉を潤すのをひかえたり、スープを飲むのを我慢して、作物作りに水を回すべきだったのです。

イギリスの著述家ジェームズ・アレンの言葉に、「願望を叶えたいならば、それ相当の自己犠牲を払わなくてはならない」の名言があります。

何かの願望の実現を図るためには、実現を阻む欲望を捨てる必要があるのです。
欲望に打ち勝つ強い意志を持ち、願望を叶えましょう。

2020年05月09日