運命は因果の法則で決まる 654


現在の状況が、大変いい状況の人は、過去にそうなるように努力してきたのです。
現在の状況が、よくない状況の人は、過去にそうなるような行為をしてきたのです。

現在を日々よりよく生きるように努力している人は、将来の運がよくなるのです。
現在を悪い生き方をしている人は、将来の運も悪くなるのです。

人の運命は、「因果の法則」で決まると言ってもいいでしょう。
ここで、「おじいさんと孫(グリム童話)」を紹介します。

年老いてヨボヨボになってしまったおじいさんがいました。
おじいさんは若い頃、家族のために働きすぎたせいで、目がショボショボしてよく見えず、耳もあまり聞こえなくなっていました。
それに、ひざも悪く、いつも体がガタガタ震えていて、だいぶ前から仕事ができなくなっていました。

それどころか、食事もうまくできず、スープやパンをこぼしてテーブルクロスを汚してしまうのです。
「おじいさんたら、また汚しちゃって、いつもあと片づけが大変だよ」
「おじいさんは、口からボロボロ食べ物をこぼして汚いから、一緒に食べていると食欲がうせてくるな」

おじいさんと同居している息子とそのお嫁さんは、おじいさんを嫌い、とうとう部屋の隅っこに追いやり、そこで食事をさせました。
それに、瀬戸物の食器は、落とすと割れてやっかいなので、木でできた安物の小さな皿に少しだけ料理を盛りつけて与えたのです。
おじいさんは、お腹いっぱい食べられません。

さて、この家には四歳になる子どもがいるのですが、ある日、床の上で小さな板きれを集めていました。
「おまえは、何をしているんだい?」と、父親が尋ねると、子どもはこう答えました。
「これで小さなオケを作っているんだ。ボクが大人になったら、お父さんとお母さんは、このオケでごはんを食べるんだよ」

子どもの返答に驚いた両親は、ショックで泣き出してしまいました。
その後、両親はすぐおじいさんをテーブルに連れていきました。
以来、食事はみんなで一緒に食べるようになり、おじいさんがこぼしても何もいわないで、親切に面倒をみるようになりました。

この物語は、父親にひどい仕打ちをすると、息子からも同様のひどい仕打ちをうけることを教えています。

過去の善行の行為が、因となり、その報いとして現在の善行の結果がもたらされるのが人生の真理なのです。
運命を好転させたければ、自分の因をきちんと正していかなければならないのです。

運命は、因果の法則で決まるのです。
明るい未来を実現するために、「正しい因作り」に努め、そうすることによって、好ましい「果」を作り出していきましょう。

2020年05月06日