いったん口にしたことは実行しよう 672


いったん口にしたことを、実行しようとしない人がいます。
忘れてしまった人、はじめから口だけの人、覚えているのに平気で無視する人がいます。

○来月になったらいっしょに食事をしましょう。こちらから連絡をします。
(待っても連絡がない)
○今回は出席できませんが、次回の勉強会には必ず出席します。
(次回の勉強会にも出席しない)
○忘年会には、時間が少し遅くなっても参加します。
(参加も欠席の連絡もない)

いったん口にしたことを実行しないと、多くの人に迷惑をかけことになります。
ここで、「幽霊となって現れた友だち(ベトナムの昔話)」を紹介します。

ある村にポタという男がいました。
ポタは、薬草作りの名人で、それをつかって人々の病気を治してあげていました。

ある日のこと、ジョイという一人の兵士がこの村を訪れたのですが、長旅で体が弱って、池のそばをやっとのことで歩いていました。
池にはスイレンが美しく咲いていました。
そして、ちょうど池のスイレンを見にやって来ていたポタの目の前で、ジョイは倒れてしまったのです。
そこでポタは、薬草を飲ませて、介抱してあげると、ジョイはみるみる元気になりました。
ジョイは、ポタの親切に大変感動し、二人はとても仲良くなりました。

しかし、別れの時はすぐに訪れました。
ジョイは旅の途中で、遠く離れてた場所に行かなければならなかったからです。
「ボクは用事をすませ、一年後、またこの村にやってきます。そうしたら、あの池に咲くスイレンを一緒に見ましょう」
こう約束して、旅立っていったのです。

それから一年が過ぎ、ジョイとの再会を果たそうと、ポタは毎日のように池に行ったのですが、なかなかジョイはやってきません。
そんなある日のこと、ポタが池に行ってみると、とうとうジョイがやって来ました。
二人は、ようやく再会できたのですが、ジョイの様子がおかしいので、問いただしてみると、ジョイはこういいました。
「ボクは、敵に捕まって、ずっと監禁されていて、とうとう処刑されてしまいました。あなたとの約束を守るために、死んで幽霊となって、ここにやって来たのです」
それを聞いたポタは、ボロボロと涙を流し、ジョイの供養をしたのです。

この話は、約束を守るという行為は、他人を尊重する上で、ものすごく大切なことを教えています。
「私はあなたのことを、いつも大切に思っています」
「あなたに対して私は、いつも誠実です」
このようなメッセージを、送ることになるのです。

普段からいったん口に出したことは、実行するクセをつけましょう。
他人から信用されるようになり、自分の愛他心も強まります。

2020年05月24日