心ある挨拶 689


日常生活の中で、挨拶は必要なものです。

○おはようございます
○こんにちは
○失礼します
○こんばんは
○お休みなさい
○いってらっしゃい
○ようこそ
○はじめまし


このような挨拶を、いろいろな人に対してします。
挨拶をする人は、形式的に挨拶をしただけで、終わっている人が多いようです。
心ある挨拶までには、至っていないのでは、ないでしょうか。

「挨拶(あいさつ)」という言葉の語源は、禅にあります。
禅の師匠は、弟子に会うと「調子はどうですか」と声をかけ、その際、弟子の様子をよく観察するのです。

きちんと返事をするか、声の調子や表情はどうか。
こちらの目を見て、返事を返しているか。
後ろめたく思っているかのように、目をそらさないか。

そう観察することで、師匠は弟子の心の状態や、修行・悟りの進み具合を探るのです。
そのような目的を持って、声をかけるのが「挨拶」です。
師匠は、たんなる社交辞令で、挨拶しているのでは、ありません。

私たちにとっても、日々の挨拶は、人間関係を円滑にしてくれるものです。
形式的に挨拶をしただけでは、人間関係は深まりません。

ですから、それに禅の心構えである「観察」をつけ加えましょう。

☆いつもより楽しく笑顔で挨拶をしてきたら、「いいことがあったみたいですね」と一緒に喜んであげる。
☆落ち込んだ顔で挨拶をしてきたら、「どうかしたの。私にできることはない」と気にかけてあげる。
☆気分が悪そうな挨拶をしてきたら、「具合が悪くはない。仕事のことは、心配しなくてもいいよ」と心配してあげる。

そうすることで、お互いの「心と心」が、触れあっていくのです。
心ある挨拶が、本当の挨拶なのです。

2020年06月10日