三段観察法で人を見よう 569

私は、人の言動を信じるほうです。
人は、皆善人と思っています。
私とは逆に、なかなか人を信じることができない人もいます。
ことわざに、「人を見たら泥棒と思え」があります。
このように疑い出したらきりがありません。
しかし、私も相手が善人だと信じて、大金を投資して、大失敗をしたことがあります。
世の中においても、悪徳商法やオレオレ詐欺など、だまされてしまう場合が多々あります。
知らない人を見る場合に、十分注意をしなければ、不幸を呼び寄せることになります。
ここで、論語(為政)を紹介します。
「子曰く、その以(な)す所を視(み)、その由(よ)る所を観(み)、その安(やす)んずる所を察(さっ)すれば、人焉(いずく)んぞ廋(かく)さんや。人焉んぞ廋さんや。」
先生曰く、
「人の行動を見、その理由を考え、その目的を察すれば、その人物は、正体を隠すことができようか。決して隠せないのだ」
孔子は、視(し)・観(かん)・察(さつ)の三段観察法で、人を鑑別しなければならない、と教えています。
視る
視るとは、その人の外面に現れた行為を視ることです。
行為の善悪正邪を視ます。
観る
その人の行為の理由や動機を考え、とくと観極めます。
察する
その人の行為の落ち着くところや目的を察知します。
外面に現れた行為が、正しく視えても、その行為の動機が正しくなければ、その人はけっして正しい人物とは言えません。
外面に現れた行為や動機・精神が正しくても、その安んじるところが、自分が楽をするためにでは、誤った方向に進んでしまいます。
人を見ることは、経験を積んだ人でも、難しく間違った判断をすることがあります。
人を見て大事な判断を下す時は、三段観察法を活用して、正しい判断が下せるようにしましょう。
