子どもにスキンシップをしよう 585

子どもが大人になった時に、親に対する愛情が深いのは、何故でしょう。
いろいろな要因がありますが、重要な要因として、親の子どもに対するスキンシップがあります。
どれだけ親が、小さい子どもに対して、日頃からスキンシップをしていたかが、とても愛情には重要なのです。
例えば、「愛しているよ」と100回言うよりも、ぎゅっと1回抱きしめてあげるほうが、何倍も効果的です。
赤ちゃんや幼児には言葉の意味は、よくわかりません。
でも、抱きしめられたときの温もりは、体の感覚として理解でき、心が安らぐのです。
こんなネズミの実験がありました。
生まれてすぐ親と離したネズミと、親と一緒に育てたネズミを比べました。
親と離したネズミは、ストレスに弱く、すぐ具合が悪くなりました。
親と一緒に育てたネズミは、親がペロペロ、ペロペロとしょうちゅう子どもをなめていて、子どもは逞しく、元気に育ちました。
生物のなかでも哺乳類はスキンシップが多いのが特徴です。
生後間もない赤ちゃんを舌で舐めるのは、全身に刺激を与えます。
その毛づくろいは、コミュニケーションの手段とも言われます。
私たち人間も抱っこすることで、赤ちゃんの心を安定させたり、脳の発達を促しています。
スキンシップは、子どもの心身の発達に大きな意味と役割を持つことが知られています。
スキンシップに関して、ここ10年ほどで特に注目されているのがオキシトシンという脳内物質です。
「愛情ホルモン」とも呼ばれる物質で、リラックスした気持ちで肌を触れ合うことにより、双方の脳内に分泌します。
たとえば親子なら愛着関係を深めるとともに、それぞれにも嬉しい効果があるとわかってきたのです。
母親は、子どもをぎゅっと抱きしめたり、寝る前になでてあげるなど安らぎのスキンシップが効果的です。
父親にすすめたいのは、体遊びを兼ねたスキンシップです。
子どもの年令に合わせて、肩ぐるまやお馬さんごっこなどはいかがでしょう。
私も時々孫を抱っこしたり、頭をなでたり、抱きしめたりなど、できるだけスキンシップをしています。
孫のためとはいえ、私自身も童心に返り、楽しんで触れ合っています。
母親のスキンシップは、子どもの情緒を安定させ、父親が行うと社会性の高い子に育ちやすいという傾向もみられます。
やはり子育てには、両親の役割分担があるようです。
仕事などで忙しくて、子どもは保育園に任せている親も多くなってきました。
子どもと親のお互いの愛情は、スキンシップで深まるのです。
子どもが大人になるにつれて、スキンシップの機会は、少なくなります。
子どもと一緒に遊んで、楽しいひとときを過ごしながら、積極的にスキンシップをしていきましょう。
それが親としての喜びにもなるのです。
