お手伝いで成長しよう 610


家庭には、日々やるべき多くの仕事があります。
掃除・洗濯・洗濯物干し・料理・食器洗い・買い物・ゴミ出し・窓の開け閉め・新聞取り・布団敷きなど、驚くほど多くの仕事があります。

多くの仕事は、家族みんなで分担して、協力することが大切です。
大人だけでなく、子どもにも、小さい頃から家族の一員として、お手伝いをさせましょう。

お手伝いをすることで、仕事の苦労がわかります。
協力しながらすることで、人間関係が深まります。

ここで、熊本日日新聞掲載、八十一歳主婦の方の「私は総監督」を紹介します。

「おばちゃん、おすしの盛り付け方を教えて」
「はいはい、こうしてね」
「豆はどの皿に入れようか」
「小皿でいいよ」

お盆に家族が集まった時のこと。
社会人になった二人の孫娘は、皆の食事を楽しそうに盛り付ける。
大学生の孫息子は配膳係。
私はどっかりと椅子に座り、あれこれと指示する。
まさに総監督だ。

孫たちが小学高学年のころから、わが家に帰省するたびに家事を手伝わせていた。
娘によると「玉名のおばあちゃんの家で手伝わなんもん」と言って、家ではほとんど手伝いをしないらしい。
いつか孫たちが嫁いだ時に、手伝いの経験がきっとプラスになると思う。

お盆のメニューは、ちらしずしのほかに、二、三品。
豪華な料理ではないが、みんなで準備すると、とてもおいしい。
「おばあちゃんの料理、おいしい」という孫たちの声に、私の顔もほころぶ。
食後もみんなで後片付け。
これまた総監督があれこれ指示する。

孫たちと墓参りも済ませて、お盆の一日も終わった。
総監督も年を取り、いつまで指示を出せるか分からないが、元気なうちは頑張りたい。
頭の中には、来年の正月に作るメニューがもう浮かんでいる。

祖母が総監督となって、孫たちに楽しく手伝いをさせている様子が、目に浮かぶように伝わってきます。
祖母は、お手伝いの意義を深く理解し、孫の成長のために、繰り返しお手伝いをさせているのです。
孫にとっては、厳しくもありとっても優しい祖母なのだと思います。

お手伝いをすることで、人のためになることを進んで、できるようになります。
人として、自分自身の成長になり、家庭のみならず、学校・仕事などでも役に立つのです。

2020年03月23日